12月25日、クリスマス。
時刻は16時。
休憩をしながら、
役場でもらった、
上太子堂という地名へ、
2時間かけて少しずつ近づいていった。
旅と、人生は。
終わりがある点において、似ていると思う。
帰る場所があるということと、死ぬということ。
終わりがあるっていうのは、その時間を大切なものにしてくれる。
帰る場所があるというのは、安心して旅に出かけることができる。
さぁ、ナビが指す目的地はもう目の前だ。
ジャポ「あ、お墓だー。」
ボクは、不思議と呟いてた。
それから少し走ってローソンを過ぎた頃。
ナビは、到着を告げた。
その直後。
まゆみさんが、「ここ曲がってみよっかー。」
と路地に入っていってくれる。
すると、雪掻きを行う男性が1名。
その向かいの家で、機械をボッボッーと雪寄せしている男性が1名。
まゆみさんは、ラパンを路上へ停めてくれる。
バタンッ!
ボクはドアを勢いよくあける。
心臓はバクバク。
ここから、物語はクライマックスに向けて加速する。
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ボクは、雪かきをしているおじさんに話しかけた。
ジャポ「こんにちは!!ここは、上太子堂ですか?」
おじさん「おお、ここからこっちが上太子堂で……」
(おじさんは、優しく答えてくれる。)
ジャポ「この辺りに原田さんはいますか?」
おじさん「おお、それなら向いの家が原田さんだけど、あんたは誰だ?」
「まさか!!」
ジャポ「ボクは、原田覚さんのひ孫でして。」
おじさん「???」
おじさんは、クエスチョンマークを頭の上にたくさん浮かべながら、
向かいの除雪機を使用しているおじいさんに、話しかけに行ってくれた。
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ボワンボワンボワン!
除雪機を使っているため聞き取りづらそうな、
おじいさんの耳元で、話かけてくれている。
驚いた表情になった後、
二人とも笑顔になって、こちらをみてくれている。
除雪機を使用していたおじいさんは家の中へ入っていった。
話をしに行ってくれたおじさんは、おいでおいでと手をこまねいてくれた。
(まちがいない!!!)
ボクはまゆみさんに駆け寄った。
「まゆみさん!!!いた!!!!!!!!!!!!!!」
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終章へ続く。
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